1 発想はスキル

発想は誰でもできる(1/2)

 

広報力を高めるためにはどうしたらいいでしょうか。プレスリリースの書きかたを知る。発表のための手法を学ぶ。メディアで働く人との人脈をつくる。メディアリストを充実させる……。どれも欠かせないことではあります。

 

しかし、実はそれ以前に忘れてはならない大切なことがあります。それは「発想力を高める」ということ。メディアに出るということは、その情報が「読者にとって価値ある情報である」と認められたということです。つまり、読者が読みたい情報を提供できたというひとつの成果を示しています。

 

そのためには、読者が知りたくなる情報とは何か、と考えるのが近道です。ハッと気づく。ホッと心温まる。ヘェと感心する。そんな風に「人の感情を動かす価値ある情報を発信する」ための発想力があればよいのです。

 

あなたはこう言うかもしれません。

「そう簡単に言うけど、凡人にはそんないいアイデアなんか浮かばないよ。人をうならせるような発想ができる人は、もともと天才なのさ」と。

 

確かに、次々とユニークなアイデアを出す人は、端から見ると普通ではないように見えることがあります。売るほどアイデアがある人。どんどん発想がわい

てとまらない人。うらやましく見えるかもしれませんね。

 

しかし、その発想力を高める方法があるとしたらどうでしょう。発想が特別な才能ではなく、スキルであるとしたら。方程式があり、誰でも簡単に発想力を磨くことができるとしたら-----トライしない理由はありませんね。

 

発想の土壌をつくる(2/2)

 

実は私もかつては「アイデアがどんどんわいてくる人は特別な才能を持っている人」と考えていた時期がありました。魔法の鉛筆でも持っているかのように次々とグッドアイデアやキャッチコピーを考える社長や先輩コピーライター。

その背中を見て「いいなあ。才能豊かな人は」とうらやましがっていたのです。

 

しかし、30歳を過ぎたあたりから、自分でもどんどんアイデアがわいてくるようになったのです。さらに企画畑20年を経て「発想は才能ではない、スキルだ」と分かってきました。これには、ひとつのきっかけがありました。

 

日経記事を素材にしたメルマガを書こうと思い立ったことから日経を読むようになったことです。

http://www.mag2.com/m/0000163625.html

 

読むと言うより、見る。自分が気になった見出しをパパッと拾い読みするだけです。1日たった10分程度の時間ですが、自分軸で得た情報が思考を耕し、発想を促してくれるのです。発想力を高めるには、情報の蓄積が欠かせません。

 

日経記事は「ビジネス」の観点から価値ある情報を編集したものです。そこから自分なりにピンときた情報を「頭の中の引き出し」にしまっておくと、だんだんと情報が勝手に結びつくようになるのです。

 

なぜなら、新たな情報価値のあるもの、一見新しいように見える情報は「すでにある情報」のつながりであり、その再編集から生まれるからです。ということは、誰でも方法が分かればそれをもとにして発想できるわけです。

 

発想には免許も資格も要りません。自分軸で選びとった情報のタネを蒔き、発想の方程式で、日々の土壌を耕せば、誰でも発想がどんどんわいてくるようになります。次回は発想のタネとなる情報の選びかたについて書く予定です。

 

[ここがポイント]

 

1.広報力を高めるには発想力を高めることが先決

2.発想は才能ではなくスキルである

3.価値ある情報のタネを蒔き、発想の土壌を耕す