ある方程式

息子が登校前にキッチンで母に尋ねる。

 

愛の方程式

息子「この方程式を図にしたらどないなる思う?」

 

母 「この『3』は何?ちーさいの?」

 

息子「三乗根、やで」

 

母 「その時点で分かるわけないやん」

 

二乗根(平方根)でなく、三乗根(立方根)。

そんなのあるん?と文系の母は、

ここでアウトです。

 

息子「こんなんなるんやって」

愛の方程式

母 「へえ〜〜〜〜〜!」

 

息子「すごいやろ」

 

母 「すごいねえ、ハートの方程式!」

 

子どもたちはいつも、新しいことを覚えたり、

ニュースがあったりすると、母に教えてくれる。

 

素敵なことを知ってたら、覚えたら、教えたい、伝えたい。

 

そんな気持ちを持っていてくれてうれしい。

 

そして、その気持を持ち続けたら

親子だけでなく、友達でも、お客さんとでも

きっと素敵につながっていける。

 

ちょっとしたことだけど、

知っててハッピー。教えてもらってハッピー。

 

なんだか、いいな。

 新しい月の始まりの朝。

母を幸せにして、彼は学校へ行った。

   ・

   ・

   ・

   ・

   で、

このあとが、さらに問題。

 

問題とはQuestionではなく、Troubleのほうのね。

 

なんだか、うれしいなあ。

消しちゃうのは惜しいなあ。

写真をとって、残しておこう。

そう思って、写真をとった後……

き、消えない!

 

数式もハートも、油性マジックで書かれていたのだった。

油性マジックを間違えて

ホワイトボードの近くにしまったのは私。 

消したくないハートは、消えないハートでもあったのね。